ゲイが日本の家族制度・結婚制度について考える【後編】


medium_9622709520(1)

via photopin cc

前回は現在の家族制度・結婚制度のもととなった『家制度』の機能について考えてみました。

<参考> ゲイが日本の家族制度・結婚制度について考える【前編】

今回は家族制度・結婚制度のゆがみについて考えてみます。



形式だけがゆがんだ状態で残っていく

慣習というのは社会が成熟してくるにつれて、ゆがみを生じながら形式だけが重視されるようになっていきます。

家族制度・結婚制度も例外ではありません。

武家社会においては、個々の幸福や生存よりも『家』の存続が重視されました。
妻や長男以外の子どもは、場合によっては家の存続のために、道具のように利用されることもありました。

『家』のために結婚することはもちろん、女性を『家に嫁ぐもの』『跡継ぎを産むもの』として従属的な役割もたせたり、長男以外の子どもを軽視したり・・・。
家制度の『形式』を重視する慣習は戦前まで色濃く残っていました。

戦後はこの慣習はだんだんと薄れていきましたが、現在も完全に払拭できているとは言いがたい状態です。

例えば、結婚式や葬儀ではいまだに『○○家 葬儀』『○○家 ○○家 式場』と標示されます。
結婚というと、「家と家の結婚」「夫の家に入る」という意識が根強く残っているのです。
また冠婚葬祭の場では、家主(家長)、その妻、長男、次男、娘、内孫、外孫といった序列も強固に存在します。

 

『戸籍』という家制度の残骸

現在、結婚することを『入籍』といいますが、これは結婚すると女性が夫の戸籍に入ることを意味しています。

戸籍というのは戦前の『家制度』に由来するものです。
男女が結婚すると、家族としてひとつの『戸籍』にまとめて登録されます。
そのため、女性は姓を変更しなければなりません。
そして、子どもが生まれると、その子どもも同じ戸籍に登録されます。

戸籍制度は現在、日本と中国、かつて日本の植民地下にあった台湾にしかありません。(韓国では2005年に廃止されました。)
中国と台湾に置いてはほぼ形骸化しているそうです。

 

ライフスタイルの多様化

現在、科学技術の発展により、さまざまなライフスタイルが可能になっています。
また、近代社会は自由主義が大原則であり、社会の個人主義化は今後もより一層進んでいくことでしょう。

家族形態も多様化しています。
未婚者、子どものいない家庭、核家族、片親、離婚などは、国家がいくら歯止めをかけようと思っても不可能です。

よく言えばそれだけ、個人がこだわりをもって生きることが可能になっている。
社会通念に流されず、こだわりをもって生きたいと考える人が増えている、ということです。

ゲイという生き方もそのひとつです。

かつてはゲイであることを隠して無理に結婚したり、自分がゲイであることを認められずに悩んでいるゲイも多かったようです。
しかし、現在は家族の希望や、社会通念にとらわれず、ゲイとして、自分らしく生きている人、自分らしく生きたいと考えている人が増えています。

 

現代社会との不適合

現在の結婚制度・家族制度は、社会の要請に対応しきれないものとなっています。

現在の日本で結婚している世帯は7割ほどです。
子どもがいる世帯はそのうちの半分。

日本の法律で想定されているような家族形態の世帯は、全体の3割ぐらいしか存在しないのです。

離婚率は3割を超えています。
3組に1組は離婚しているのです。

生涯未婚率も3割を超えています。

離婚率や生涯未婚率は着実に増え続けており、今後もその傾向は続くでしょう。
家族制度そのものを根本的に見直すべき時期でしょう。

念のため言っておきますが、私は『家族』の存在を否定するわけではありません。
私も「家族っていいなー」とは思います。
しかし、自分は結婚して家族をもとうとは思いません。

旧来の家族制度を大切にして生きるのもその人の生き方。
自分にあったパートナーシップや家族のあり方を模索していくのもその人の生き方。

日本も、さまざまな生き方を選択できるような結婚制度・家族制度を本気で模索しなければいけない時期だと考えています。


2016年8月より、当ブログの運営・執筆はLGBTサークル『CBM』に移管されました。

当ブログについて説明はこちらをお読みください。