2015年4月、東京都の発表によると、都内で確認された20代のエイズ患者、HIV感染者の数が過去最多だったそうです。
「HIVに気をつけなきゃ!」
「生は絶対ダメ!」
・・・なんて、ゲイの間ではもはや常識。
なのになぜいま、HIV感染者が増えているのでしょうか?
知識の欠如?
東京都は「知識の欠如」が原因のひとつではないか?と分析しています。
(HIV感染者、20代過去最多148人 東京都内、20~30代で7割)
しかし、これは断じて違いますね。
「生はダメ」なんて、高校生でも知っています。
ましてやゲイならば誰でも知っているでしょう。
危険だとわかっていながらやってしまうのです。
出会いに対する恐怖感の欠如
ゲイアプリが登場したことにより、出会い(リアル)が非常に簡単になっています。
発展場にいって相手を見つけてやるとか、ゲイバーでいい人を見つけてやるとか、掲示板で相手を募集するとか、一昔前の出会いに比べて、いまの出会いは格段に難易度が下がっています。
要は誰でも出会えるし、誰でもやれる時代。
またゲイアプリの普及に伴って、出会いに対する『恐怖感』も薄れてきています。
発展場に行くとか、掲示板で相手を募集するとかいう行為には、必ずある程度の『恐怖感』が伴いました。
「どんな人かもよくわからない」人と出会うという大前提があったからです。
また昔は「ネットはコワイ」ものでした。
しかし、いまはネットは誰でも使えるものですし、アプリで写真交換をしたり、メッセのやりとりをしたり、相手のTwitterを見たりして、その上で出会います。
ですから、出会いに対する恐怖感が少なく、出会った時にはすでに知り合い。
出会った時にはすでに情が芽生えているということもあるのです。
週2でリアル
私の知人にも何人か聞いたところ、20代のゲイは
「多い時で週2でリアルしていた」
「少なくとも月に数回はリアルしている」
「アプリを使って出会うことに抵抗感はない」
というような意見を述べていました。
しかし、30代の方々は
「アプリ等で出会うことに抵抗がある」
「アプリで出会うことはあまりない」
という方が多かったです。
NOと言えないゲイ
さて、そのような時代的な背景に、ゲイ特有の問題もからんできます。
問題のひとつ目は、
「NOと言えないこと」
です。
これは私の主観ですが、ゲイはノンケ男性に比べて「NO」と言えない人が多いです。(特にネコ=受け入れる側の人)
「人から嫌われたくない」「なるべく周りに合わせよう」という気質の人が多いのです。
リアルして、セックスする流れになって、タチがコンドームをつけずに挿入してきた。
・・・けど、「ダメ」と言えなかった。
一応、言ってみたけど、そのまま入れられてしまった。というような経験をしている人は結構多いのです。
「せっかく出会ったのにここでNOと言ったら、相手から嫌われてしまうかも・・・」という考えもあるのかもしれません。
刹那主義
そこにさらにもうひとつの問題が加わります。
それは
「刹那主義」
ということです。
ゲイは結婚もできませんし、子どもも残せません。
それゆえに、ノンケ(異性愛者)に比べて、人生の目的、生きる意味を見出せない人が多いのです。
(結婚、育児だけが人生の目的ではありませんが、それがある人は人生の目的が明確です)
「どうせ結婚できないし、老後ひとりだし、なるべく早く死にたいよね」
冗談まじりにそんなことを言い合うゲイも多いです。
そのような考え方から、「今さえ良ければいい」「今楽しければいい」「健康なんてどうでも良い」と考えているゲイもたくさんいます。
だから、酒飲みまくって、タバコ吸いまくって、いろんな人とセックスしまくって、お金を浪費しまくるという、ノンケではあり得ないような遊び方をしてしまうのです。
セックスにおいても、相手のことが好きになると先のことは考えずに、「もう生でいいや」「中に出していいよ」となってしまう。
このような事情が絡み合い、いまなお、HIV感染者が増え続けているのでしょう。