同性婚を認めると『日本の伝統的な家族観』が崩壊する?


IMG_8687-540x360

同性婚に反対する意見として、「同性婚を認めると『日本の伝統的な家族観』が崩壊する」という意見があります。
自民党の谷垣氏などの意見がまさにそうです。(同性婚、谷垣禎一氏の「条例だけでは問題」との発言に 「国が議論しないから」という意見も

しかし、そもそも『日本の伝統的な家族観』とはなんなのでしょうか?



日本の伝統的な家族観とは何か?

いわゆる保守派の言う『日本の伝統的な家族観』とは、明治時代につくられた『家父長制』を基盤とした家族観のことです。

これは伝統的でも何でもありません。
明治後期(1900年前後)~高度経済成長期以前(1950年前後)のわずか50年程度の間に培われたものです。

 

江戸時代の家族の多様性

武士も庶民も家族形態は多種多様でした。
親の兄弟やら、舅やら、小姑やら、奉公人やら、愛人の子どもやら、なんとなく血のつながりがある者から働き手まで、いろいろ寄り集まって暮らしていたというのが実情です。
『家族』という意識よりも、『一族』という意識の方が強かったのです。

都市部の長屋あたりの家はもう少し小規模ですが、結婚できない者同士が遊女を買って共有してるなんてこともありました。
逆に殿様なんて一夫多妻制ですからね。

少なくとも江戸時代までは我々が想像する『伝統的な家族観』なんてものはなかったのです。

 

家の小規模化

では明治時代はどうかと言うと、西洋の家族観や恋愛観が流入してきたのに伴って、少しずつ社会も変化していきますが、少なくとも明治時代中頃までは江戸時代と大差ない家族形態だったものと思われます。

明治時代の金持ちの男性は『おめかけさん』(愛人)がいるのが当然で、その愛人との間に子どもをもうけることもよくありました。
また、家に、いまで言う『家族』以外にも、奉公人がいたり、書生がいたり、親の兄弟がいたりする家も多かったようです。

それが明治時代の後期になって産業革命が進展し、社会が成熟してくるにつれて、家族は小規模化していきました。
つまり、『日本の伝統的な家族観』なんてもんは、実は家族が小規模化していく過程の一形態でしかないのです。

おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、子どもたち、なんていう『伝統的な家族形態』は家族のあり方がだんだんと変容していく中で、1900年~1950年のたった半世紀の間につくられたイメージでしかありません。

 

すでに崩壊している

同性婚を認めるから日本の伝統的な家族観が崩壊するなんてことはありません。

いや、これはハッキリ言うけども、(いわゆる保守派の言う)日本の伝統的な家族観なんてすでに崩壊しているのです

厚生労働省の発表によると、1986年と2015年の『単身世帯』『夫婦のみの世帯』の割合を比べると倍増しています。(I 世帯数と世帯人員数の状況

いまや男性の生涯未婚率は20.1%です。
2割の男性が、家族をつくらないのです。

『伝統的な家族形態』なんてもんがあったとして、それは同性婚うんぬんにかかわらず、とっくに崩壊しているのです。


2016年8月より、当ブログの運営・執筆はLGBTサークル『CBM』に移管されました。

当ブログについて説明はこちらをお読みください。