最貧困女子~セックスワーク最大のタブーにせまる~


売春で生計を立てている最貧困層の女性の多くは『知的障害』『精神障害』『発達障害』だ・・・!

そんな衝撃的な説で最近話題を読んでいる本、『最貧困女子』(鈴木大介 幻冬舎)。
この本、すごくおもしろいです。

題名の通り、女性のセックスワーカー(それも最貧困層に属する人たち)を取り扱った本ですが、ゲイが読んでもすごく考えさせられる一冊です。



貧困は自己責任か?

「お金がないのは自分が悪い。努力不足だ」
「シングルマザーでも立派に自立している人もいる。シングルマザーだからまともに働けないなんて言い訳だ」

などという意見をよく耳にします。
私もそう思っていたこともありました。

しかし、この本に書かれている通り、そういう人たちの中には実はかなりの割合で『知的障害』『発達障害』『精神障害』の人がいるのです。

彼らの多くは、努力不足や選択ミスのせいで貧困におちいっているのではありません。
そもそも論理的な思考力、判断力が弱かったり、努力することができなかったり、感情の爆発を抑えられなかったり・・・そういうどうしようもない障害を抱えているのです。

そのため市場経済の競争に耐えることができず、ほとんど無抵抗のままどん底まで転落してしまっている。
そして、そこから這い上がるすべも知らないのです。
公的支援や福祉施策についての知識もありませんし、そもそも事務手続きができない人もたくさんいるのです。

 

嫌われやすさ

『精神障害』『発達障害』『知的障害』の厄介なのは、『嫌われやすい性格』の人が多いことです。
(こういうことをハッキリ言うと障害者差別だのなんだのと批判されるので誰も言いませんが)

人を怒らせるようなこと、失礼なこと、人が嫌がること、無神経なことを平気で言ってしまう。
感情の浮き沈みを抑えられない。

人間は群れで生きていく生き物ですから、普通はこういうことはしないように避けるのですが、障害を抱えているためにそういう判断ができない人もいるのです。

明らかに重い障害を抱えている人ならば「あー障害のせいだな」とわかるので、まだ救いようがあります。
しかし中には一見すると普通の人、いやむしろ横柄で乱暴でムカつく感じの人もいます。
彼らは弱々しい『障害者』のイメージとはかけ離れていますから、誰も「障害のせいだから仕方ない」という目では見てくれませんし、手をさしのべてもくれません。

 

セックスワークという成功体験

いままで何をやってもうまくいかなかった人。
誰からも認めてもらえなかった人。
周りから嫌われている人。

お金もない、助けてくれる人もいない。

そういう中で彼らが手に入れた唯一の成功体験。
それがセックスワークだった。

セックスすることでお金をもらえる。
人から相手にしてもらえる。
温かい布団で寝られる。

その成功体験が彼らをセックスワークにとどまらせつづけます。
体や精神が壊れ、商品価値がなくなり、劣悪な労働環境におちいったとしても、彼らは中々セックスワークから抜け出せません。
(中には陰部に麻酔入りのジェルを塗りながら、セックスワークを続けている少女もいるとか)

 

セックスしかないゲイ

セックス『ワーク』はしていないくても、コミュニケーションの手段が『セックス』しかないというゲイがたくさんいます。

これって、最貧困女子の問題にも通ずる問題だと思うんですよね。
・・・と、まぁいろいろ考えさせられる1冊でした。

 


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